コロナ禍の中で

劇団クリエの上原です。
皆様には、大変ご無沙汰しておりますことをお詫びいたします。

昨年11月のつくばカンパニーによる流山公演「森はいきている」から、1年が過ぎてしまいました。

この間、ひたちなかカンパニーによる「森はいきている」の稽古、そしてコロナによる公演中止、オンラインでのワークショップの開催、などがありました。

春の初め、3月29日日曜日、雪交じりの寒い日でした。

ひたちなかの役者たち、子ども役者の保護者、スタッフが集まって、5月の公演をどうするか話合いがなされ、公演中止が決まりました。

結果的には、その後、稽古場が全て閉鎖、劇場も閉鎖、私たちスタッフへは休業要請が出され、公演は不可能でした。

それでも、一幕だけでも通そうと、その後、役者たちは涙を振り切って、笑顔で稽古をしました。

その時の写真をこのページに貼り付けようと、写真を選びました。

久々に公演に参加するメンバー、これが最後になってしまうメンバー、初めて参加するメンバー、もちろんずっとクリエを支え発展させてきてくれたメンバーも含めて、一人一人の思いが重すぎて、写真を選ぶことが出来ませんでした。

こちらから見ることが出来ます。
どの写真も大切な大切な記録です。

良かったら、皆様もご覧ください。

ひたちなか公演予定だった5月、
「ああ、合宿だなあ」
「本番1週間前、みんなどんな顔をして最後の通し稽古をしただろう」
「明日は劇場入りかあ」
「本来なら今頃本番中だなあ」
「幕が降りて、みんなどんな表情をしているのだろう」
と、その時々の役者たちの思いや表情を想像していました。

それは、何とも切なく悲しいことです。言葉では表現出来ません。

私たちだけでなく、世界中の多くの人々が、このコロナウイルスのために、色んな思いをしていますね。

私の心を奮い立たせてくれたのは、友人の
「戦争よりは良いよね。爆弾が落ちてくる訳じゃないし、食べるものだってあるし。頑張りましょう。」という言葉でした。

確かにその戦禍の跡でさえ、そして人類の歴史の中の度々の伝染病禍の跡でさえ、人々は息を吹き返し、芸術は復活し発展し続けて来たではありませんか。

75年前、焼け野原の中、生き延びた人は、日々生きる手立てをどう手に入れてきたのでしょう。想像を巡らせながら、今、自らが生き延びるにはどうしたら良いかと前を向く私がそこにいました。

外に目を向ければ、秋が深まり、冬の初めを感じさせます。

写真は、久々に訪れた近代美術館前の木々の色づきです。

私たちは、休業要請中はオンラインで、その後は少しずつスタジオで活動をしております。

今月からは、スタジオでのワークショップも感染対策をしながら再開しました。まだまだ少人数ですが、無理のない範囲で活動して参ります。ご興味のある方は、是非ご参加ください。