舞台の魅力

金曜日、ボスター発表のための広報会議をやりました。
何人かに、クリエについて書いてもらったものを参考に話し合いを進めました。
演出家がクリエの原点、それは「楽しさ」と書いていました。
そして「ドキドキワクワク」と。

<人と出会うドキドキワクワク>

初めてクリエの稽古場を訪れる時には、どんな人たちがいるのだろうか、と、みんなドキドキワクワクしてくるに違いありません。

稽古場で誰かに声をかけてもらって嬉しかったり、次の稽古では少し仲良くなったり。次回は、もっと親しくなっていったり。

そして、ここで、自分自身の日常の生活の中では絶対に出逢わない様な人たちと共に時間を過ごし、作品を作り、感動を共有していくのですね。

毎回の稽古が、沢山の人と関わるドキドキワクワクなのですね。

振り返ってみると、大人も子供も、人との関わり方みたいなものを、随分と学び、成長していくことになるのです。

それは、このカンパニーでこの作品をお客様に喜んで戴けるようなものにするには、一人一人が、どう立ち居振る舞いをしたら良いか、一生懸命考えるからなのでしょうね。

決まりは極力作らず、上から命令せず、大人も子供も同じ作品を作るメンバーとして大事にしていく。そんなカンパニーの風土が人を育て、作っていくのだと思います。

<作品と出会うドキドキワクワク>

今回は何を上演するのだろうか?どんな台本が上がって来るのだろうか?音楽は?演出は?振り付けは?そして、衣裳は?舞台セットは?

作品と出会うドキドキワクワクが毎回の稽古場にあります。

これらが一通り出揃い、作品を深めていく時になると、更に、この作品と出会い関われることの幸せや、深めていくことの楽しさも味わえるのですね。思わぬ人が思わぬ表現をして、それにメンバーが触発され、相互作用でどんどん作品の質が上がっていくということも沢山あるのです。

本当に毎回、みんながドキドキワクワクなのです。

何度も舞台に立っているメンバーは、台本を読んだ時に、本番ではどんな風になっていくのだろうかというドキドキワクワクもすごく感じるものなのです。

<劇場入りするドキドキワクワク>

いよいよ、劇場入り。

この本番を迎えるという目的があるからこそ、稽古場でのドキドキワクワクがあったのです。

劇場へ向かうドキドキワクワクは、特別なものがあります。

舞台とは、「夢の中の特別な空間」と言えるかも知れません。

ここで、未知の何かが始まるワクワクドキドキ。

まっさらな舞台に、セットが置かれ、人が立ち、照明が入り、作品の世界観が作られて行く。

明日は、いよいよ本番。

緊張感と共に、言いようの無いドキドキワクワクで心がふくらんでいくのです。

<幕が上がるドキドキワクワク>

当日、劇場入りする。

スタッフさんたちが忙しそうに動いている。

役者はメークをして、衣裳を付ける。

稽古場で衣裳を付けるのとは全く別の感覚がそこにはあるのですね。

ゲネプロ(本番と全て同じに舞台上で通すこと)も終わり、いよいよ「お客様」というこの作品と演じる私たちを観にいらしてくださった方々の前で、仲間と共に、明りを浴び、幕が上がる舜間。

このドキドキワクワクと、この心地よい緊張感は、舞台は魔法という言葉がぴったりかも知れません。

本番 ― それは、本当に一瞬で、でもとても濃厚で、魔法にかかった様な、夢の中の様な、不思議なひととき。

<そして終演>

幕が下りた後の、充実感と安堵感、そしてあの言いようのない淋しさ。

役者たちは、まだ衣裳のまま、お客様にごあいさつをして、楽屋に戻ります。

ふと見る舞台は、あの劇場入りした時の更地の様な何もない場所に戻っています。

今、私たちがここで演じたものは、「夢」だったのでしょうか?と思うくらい、何事もなかったかのようです。何の余韻さえも無く。

衣裳を脱ぎ、メークを落とし、現実の自分へと戻っていく。ただ、心だけは、まだまだその余韻で、興奮している。

日常に戻った私たちは、もう一度、このドキドキワクワクを経験したいと、夢を見たいと、再び舞台に立ちたいと、やみつきになっていくのです。

昨日のつくばカンパニーの稽古。

M1の完成版が上がってきて、振り付けが始まり、つくばカンパニーの「おやゆび姫」が、いよいよ動き出しました。

ドキドキワクワクの始まりです!!!!!