塩塚さんのレッスン

つくば、ひたちなか、共に、年に一度、テノール歌手の塩塚さんにヴォイストレーニングをして戴いています。

今回も、つくばの稽古場にお招きしました。

この方と出逢えて、クリエは大きく歌唱レベルを上げることが出来たと言っても過言ではありません。

上原も長く「歌う」ことの指導に関わって来て、上手く教えられないジレンマの中で教えていました。自分の体験からも、喉を開けて響きのある高音を出すには3年くらいはかかると思っていました。それでも、出来ない人は出来ないとも思っていました。

それが、違うのです。

塩塚さんの指導法だと、声がスコーン!!と飛び出すのです。

呼吸、声帯のこと、体の響く場所のこと、沢山の事をイメージしやすく教えてくださいます。

メンバーの声が体全体に響き合うと、声明のように聴こえます。

そして、毎回必ず、私たちに新しいことを教えてくださいます。

新しいことを学ぶためにも、1回きりのレッスンを無駄にしないためにも、真剣にレッスンを受け、次回のレッスンまでにそれを一人一人が自分のものに出来る様に、日々の稽古で積み重ねていきます。

その結果が、歌唱レベルのアップという形で出て来ていると思います。

でも、それだけでは、歌で人の心を揺さぶることは出来ません。

歌う人自らが、音楽に心が揺さぶられなければ。

そういう意味でも、塩塚さんは凄いな!!と思います。

彼のfacebookにオープニングナンバーをレッスンして戴いたことが書かれています。

オープニングナンバー「銀河よ」について

繊細に描かれながらもスケールの大きな曲

宮沢賢治の内宇宙でもあるかのような作品

マクロの世界でミクロを考え、ミクロの集合は宇宙を成す

どちらも宇宙の姿なのでしょう

音楽は人の内包する宇宙であるに違いありません

この様に書いてくださっています。

そう言えば、賢治さんは、科学者でもあり、科学的にそしてファンタジックに作品を描いています。

塩塚さんも、理系の方で、エンジニアとして仕事をしていらした方なのです。声も科学的に追究されていますが、ご自身が作られるオペラの作品についても、色々な切り口から洞察されています。そして、「人」やその「生き方」や「感じ方」を熱く表現するオペラの舞台を制作されています。

私たちも、魂を揺さぶるような歌が歌えます様、日々研鑽して参りましょう。