「日本のアンデルセンになりたい」と願った新美南吉

クリエの作品は、全てオリジナルです。

「金色姫ものがたり」は、筑波山のふもとに伝わる「金色姫伝説」を元に書きましたが、創作の部分が大半を占めます。それ以外の作品は、全て原案からオリジナルです。

今回、初めて、文学作品として完成されたものを、そのオリジナル版を元に書きました。

作者の新美南吉の描きたかった世界を大切にしたいと思いながら書きました。

「ごんぎつね」は、小学校4年生の教科書に載っています。教科書の中の一つの題材なので、そう長くはありません。それを2時間近くの舞台作品にするということは、無駄が多いのではないかと思った方もいるようです。

私は、南吉が書いた文章を、一言、一行、丁寧に読み込む作業をしました。

いたずらばかりしていたごんや、村に現れる鰯売りなどは、想像するだけで楽しく、面白いシーンが出来上がっていきました。

兵十の母親の葬式の場面や、山で栗を拾って届けるごんも、色々なことを感じながら書くことができました。

オリジナルのものがたりに登場する弥助、加助、吉兵衛も、その家族と共に描いてみました。

決して豊かではないながらも子供たちは元気に育ち、大人たちも助け合って生きて来た、当時の地方の村の様子として描いています。

この様にして、約2時間の台本は書き上げられました。

演出家は、ミュージカルの「観る楽しさ」を考慮に入れながらも、無駄と思われるものは極力入れない様に、シンプルに、わかりやすく、との考えを持っています。

台本も整理され、シンプルな中に描きたい世界が凝縮されたように思います。

佐藤学さんの日本画の背景、小松洋紀さんがデザインしてくれた小袖、魂の作曲家金ちゃんの音楽と共に、いつか、この作品を海外に紹介し、新美南吉の名と、その作品が持つ哀しさや温かさが知られて行ったらいいなあ、と、願っています。

日本のアンデルセンとして。

そんな機会をどなたかお与えくださったら、嬉しい限りです。

庭の紫陽花の花が色づく季節になりました。

窓からは、鳥たちのさえずりが聞こえてきます。

我が家に来てまもなく1年になるネコのシャルルンは、お腹を出してくつろいでいます。

今度の日曜日は、クリエ音楽教室の発表会です。

それが終わったら、つくばのワークショップ、ひたちなかの稽古に本格的に取り組んでいきます。

皆さまにも、お稽古場の様子もお伝えしていきたいと思います。

この記事を書いた人

kurie1992