2016年3月アーカイブ

先週の日曜日、クリエ音楽教室の発表会がありました。そこまでは、「アラジン」と「14ひきのぴくにっく」の音が頭の中でグルグルしていました。

 

余韻を楽しむ暇も無く、銀河鉄道の夜一色の日々が続いています。

まずは、CD制作の為の録音。チェリストの畑江さんの録音から始まり、ひたちなかメンバーの録音、カムパネルラ役のソロの録音。


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録音3日目は、夕方、その足で合宿。合宿所での台本の直し。今も、印刷をしながら、ブログの原稿を書いています。

 

今日は、合宿最終日、ずっと一緒にいる作曲家の金ちゃん、舞台監督さん、チェロの畑江さんも加わって、初めての通し稽古です。

 

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今、初めて、M1をチェロ入りで歌って踊りました。

音が鳴った途端、音が立体的に聴こえます。

一人一人が、今の自分で可能な限りの「何か」を感じて、精一杯表現していました。

歌い終わって、最年少の小2のKちゃんが、目をぬぐっていました。

 

 

そして、何と、明日からは、つくばメンバーの録音です。

 

木曜日は、演出家と一緒に、道具に使う布を見て来ます。

 

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合宿が終わると、本番に向けて、沢山のことが動いて行きます。

忙しくも、

充実した日々です。

 

合宿所の中央青年の家に向かう山道の桜の花がほころび始めました。

間もなく、新学期ですね。

「銀河鉄道の夜」を書いた宮沢賢治さんは、クラシック音楽が大好きで、自身もチェロを弾いたそうです。

記念館にそのチェロが残されています。

「セロ弾きのゴーシュ」は街の映画館でチェロを弾くゴーシュのお話ですが、「銀河鉄道の夜」にも、残された原稿に"チェロのような声"が出て来ます。

 

今回は、チェリストの畑江寿利さんに、劇場でもチェロを弾いて戴きます。

先日、CD作成のために、チェロを録音しました。

男性がヴォカリーズ(アやオなどの母音)で歌っているような"声のようなチェロ"でした。

柔らかく、艶と深みが心の隅々まで沁みて行きます。ピッチもテンポも微調整がきく所もアナログならではの素晴らしさです。クレッシェンド、デクレッシェンド、ビブラートの幅などももちろんです。心の中に熱く押し寄せるもの、静かに流れるもの、様々な感情が音になっていく感じも、アナログならではのものです。

録音終了後、作曲家の金ちゃんのピアノと合わせました。

聴いていた、ひたちなかメンバーの高校生たちが、「聴いていたら涙が出そうになっちゃった」と。

 

 

合宿所で、この原稿を書いています。

先日録音した「星めぐりの歌」のチェロが流れています。

賢治さんが自ら作詞作曲した歌です。

ふと、思いました。

賢治さんは、チェロでこれを弾いたのだろうか?

優しく深い音色で。

 

「農民芸術概論」の中で、彼は、これからは農民も農業の合間に芸術に親しんでいくべきというようなことを書いています。

柔らかいチェロの音色を耳に、色々と考えてしまいます。

本当の豊かさとは何なのでしょうか?本当の幸せとは何なのでしょうか?

「チェロは、祈りの楽器」という言葉を聞いたことがあります。

世界中の人々が、平和で、心豊かで、生きていることが「幸せ」であると、思える日が来ることを祈らずにはいられません。

 

この作品を、是非、感受性が豊かな若い世代に観てもらいたい、そして、心の奥で感じたり、深く考えることの大切さを少しでも感じて欲しいと、あらためて思いました。

あの日から5年が経ちました。

 

東北は、安全や安心を大切にした新しい都市の世界的なモデルになるのだろう。

原爆が投下された唯一の国での原発事故、こんな小さな国が、原子力のとてつもない力の恐ろしさを2度も身を以って体験したのですから、きっと、世界からも注目され、尊敬される価値観を持った国になるのだろう。

それを作っていくことが、犠牲になられた方への、鎮魂と、残された者の使命であると、あの時、強く思い、震災後「王家の瑞宝」という作品を作りました。

 

あれから、5年。

原発事故はきちんと検証されたのでしょうか?

それに基づいた施策がなされているのでしょうか?

津波や原発事故の被害に遭われた方たちの生活は元に戻ったのでしょうか?

家や親を失った子供たちの生活や心の傷に対して、行政の手は届いているのでしょうか?

これから先起こるかもしれない災害や事故への備えは十分なのでしょうか?

考えるときりがありません。

足が地についていないような、不安な気持ちでの毎日です。

 

私たちは、あの後、価値観が変わったでしょうか?

生き方が変わったでしょうか?

 

節目の日を迎えて、改めて、皆で考えてみたいと思いました。

 

節目の日とは、日常に流されて、目先のことにかまけでいる私たちが、大切なものを忘れないようにする日でもあると思うのです。

つくば、ひたちなか、共に、年に一度、テノール歌手の塩塚さんにヴォイストレーニングをして戴いています。

今回も、つくばの稽古場にお招きしました。


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この方と出逢えて、クリエは大きく歌唱レベルを上げることが出来たと言っても過言ではありません。

上原も長く「歌う」ことの指導に関わって来て、上手く教えられないジレンマの中で教えていました。自分の体験からも、喉を開けて響きのある高音を出すには3年くらいはかかると思っていました。それでも、出来ない人は出来ないとも思っていました。

それが、違うのです。

塩塚さんの指導法だと、声がスコーン!!と飛び出すのです。

呼吸、声帯のこと、体の響く場所のこと、沢山の事をイメージしやすく教えてくださいます。

メンバーの声が体全体に響き合うと、声明のように聴こえます。


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そして、毎回必ず、私たちに新しいことを教えてくださいます。

新しいことを学ぶためにも、1回きりのレッスンを無駄にしないためにも、真剣にレッスンを受け、次回のレッスンまでにそれを一人一人が自分のものに出来る様に、日々の稽古で積み重ねていきます。

 

その結果が、歌唱レベルのアップという形で出て来ていると思います。

 

でも、それだけでは、歌で人の心を揺さぶることは出来ません。

歌う人自らが、音楽に心が揺さぶられなければ。

 

そういう意味でも、塩塚さんは凄いな!!と思います。

彼のfacebookにオープニングナンバーをレッスンして戴いたことが書かれています。

 

オープニングナンバー「銀河よ」について

繊細に描かれながらもスケールの大きな曲

宮沢賢治の内宇宙でもあるかのような作品

マクロの世界でミクロを考え、ミクロの集合は宇宙を成す

どちらも宇宙の姿なのでしょう

音楽は人の内包する宇宙であるに違いありません

 

この様に書いてくださっています。

 

そう言えば、賢治さんは、科学者でもあり、科学的にそしてファンタジックに作品を描いています。

塩塚さんも、理系の方で、エンジニアとして仕事をしていらした方なのです。声も科学的に追究されていますが、ご自身が作られるオペラの作品についても、色々な切り口から洞察されています。そして、「人」やその「生き方」や「感じ方」を熱く表現するオペラの舞台を制作されています。

 

私たちも、魂を揺さぶるような歌が歌えます様、日々研鑽して参りましょう。
今回の銀河鉄道の夜は、前回のおやゆび姫にも増して、美しい音楽に溢れています。
振りも美しい!!のですが、その分難しい。
止まった姿勢一つ取っても、なかなか難しいです。

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この後もどんどん上がって来る楽しいナンバー、切ないナンバー、苦しいナンバー・・・・・

どんどん上がって来る音楽に金ちゃんの魂を感じながら、振り付けも上がっていっています。

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道具や衣裳も動き出しました。
チラシも間もなく出来てきます。

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台本を書き上げた時には文字だけだったのが、音楽が入って、役者が動いて、クリエならではの銀河鉄道の夜が形作られて来ています。
チケットも間もなく発売になります。
こちらのホームページからも購入出来ます。
皆さんどうぞお楽しみに。

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