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 ● 金色姫ものがたり 〜ひたちなか公演〜           

【スタッフ】
  
脚本 上原久栄 音楽 後藤知明 演出 大滝順二
振付 西林素子

梅原美穂
照明 成瀬一裕(あかり組) 音響 黒田理紗

赤城奏子
美術 大滝順二 衣裳 宮部詩都賀

上原久栄
ヘア・メーク 高久重則(エルベ)
舞台監督 北林勇人
【ものがたりをめぐって】
 執筆の経緯 


かれこれ6年くらい前のことである。
私が舞台を作っていて、台本を書いていることを知っている友人が、こんなものがあるけれど、と、「神々の山 ― 筑波山と萬葉集」(石井郁子著)という本を貸してくれた。
その中に掲載されている「金色姫伝説」を基にミュージカルを書いたらどうか、との提案であった。
その後、「蚕影山神社縁起」その他の資料を参考に、そして、お得意の想像力を頼りに、クリエの「金色姫ものがたり」を書き上げた。


その後、この伝説に似た話が日立、鹿島にもあることを知った。
 愛 さまざま 


権太夫は「浜に流れ着いた異国の姫を哀れに思って家に連れ帰った。」と伝説には書かれている。
長旅で、ぼろぼろの舟、衣服、髪、それらのいずれも見たことも無い形。顔貌も肌の色も日本人とは違うインド人。しかも食するのは生の魚のみで異臭さえ放っていたのではないだろうか?
そんな金色姫を、権太夫は「哀れ」に思ったのだ。
恐れは無かったのだろうか。
一言で言ったら醜いものであったに違いない。
醜いものに抵抗なく接することが出来る権太夫はどんな男なのか・・・・・
私はまず、この男を描いてみたいと思った。

一方天竺の継母は、権太夫とは対象的な人間だったのだろう。
私一人を見ていて欲しい
あなたを独り占めしたい
継母ハンナはそう願った
「あんな小娘、いなくなればいい」
邪魔な存在を疎ましく思う。
結局、憎しみは何も良い結果をもたらさなかった。
独り占めの愛、それは幼く未熟な愛と言えようか。
しかし、これは、少なからず、誰もが持っている感情ではないのか。


もう一つの存在 ― 村の人々。
これは、元々の伝説や縁起には描かれていない。
見たことも無い、しかも、醜い姫。
きっと、村の人々は、恐れ、忌み嫌ったに違いない。
これもまた、村を愛し、守りたいと思うが故である。
今の社会にも存在する部族や宗教の違いからくる憎しみは、これに似ている。
ここに資源などの利害関係が絡むと、更に憎しみが増大し、周りの国々を巻き込むことになる。
子供たちも、見たことのない姿形のものに対して、大きな拒絶反応を示すだろう。


共同体でもある村の中で、皆と仲良く暮らしていくためには、不本意なことも呑まなければならないことを知っている爺様。
権太夫と村の人々の間で複雑な気持ちの爺様である。


権太夫の愛、継母ハンナの求めた愛、村の人々の村への愛、これらはみんな愛なのである。
場合によっては、わが身を守る愛が一方で憎しみを生む。そして相手を憎むだけでなく、抹殺しようと攻撃することの大義となる。村人たちの愛はそんな愛である。戦争や紛争もこの様にして起こる。それは今も存在する。何と愚かなことか。


権太夫の愛は、そんな村人を赦す。
そして、天竺へ祈りを込めることで、大王もハンナも赦されていく。
本当の愛とは、そういうものだと、私は思う。
 お蚕さんという呼ばれ方 


家畜として飼われる蚕。
しかし、なぜか蚕は「お蚕さん」と呼ばれる。それは、高貴な人の生まれ変わりだからであろうか。それとも、村の人々が、蚕を金色姫だと思い、大切に飼ったからだろうか。


もし、権太夫が蚕を独り占めにしていたら、村全体が豊かになっていくことはなかったはずである。
後世、権太夫家だけが、蚕を飼うことを許される特別な家柄になっていたに違いない。
日本に養蚕が広まり、明治維新以降は、日本の重要な産業になって行き、日本を豊かにしてくれた絹糸である。
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